[kpoint point=”3″]
最近、強い生理痛や排泄痛、性交痛で悩んでいませんか?
痛みの原因として「チョコレート嚢胞」が挙げられます。
目次
チョコレート嚢胞とはどんな病気ですか?
チョコレート嚢胞とは、子宮内膜症性卵巣嚢胞(しきゅうないまくしょうせいらんそうのうほう)ともいわれ子宮内膜症の一種です。
卵巣の内部に病巣を形成した子宮内膜症が進むと、卵巣内に嚢胞を形成します。
この嚢胞内に溜まった血液が時間の経過とともにドロドロのチョコレート状になることから「チョコレート嚢胞」と呼ばれます。
チョコレート嚢胞にはどのような症状がありますか?
代表的な症状として「疼痛」や「不妊」が挙げられます。
1.疼痛
病状が悪化すると日常生活に影響するほどの強い月経痛や腹痛、排便痛、性交痛、腰痛などが症状として現れます。
2.不妊症
周囲の組織と癒着及び炎症などが原因で、卵管の機能障害や卵管閉鎖が生じるためとされています。
また、直径が5~6 cm以上のチョコレート嚢胞では突然破裂することがあり、さらに妊娠しにくい状態となる可能性があります。
妊娠する可能性はありますか?治療方法は?
チョコレート嚢胞と診断された方は、妊娠できるのか?とても不安になると思います。
治療法には薬物療法と手術療法があります。
患者さんの年齢や妊娠希望の有無及びチョコレート嚢胞の大きさなどを総合的に診断して選択します。
妊娠の希望がある場合
軽度であれば自然妊娠を目指すことができます。
チョコレート嚢胞の治療はせず、そのままの状態で自然妊娠を目指します。
*注意!
但し、嚢胞がまだ小さく不妊期間が短い、卵管に異常がないような方の場合です。
軽度の場合、妊娠することで生理が止まるため症状が軽くなるケースがあるようです。
保存手術をする
現在は、腹腔鏡手術で行うことが主流となっています。
将来の妊娠に備えて、子宮や卵管、正常卵巣部分は少しでも多く良い状態で温存し病巣のみを切除し、癒着を剥離します。
実際に、3~4cm以上のチョコレート嚢胞でも、嚢胞を摘出することで、自然妊娠の妊娠率が高くなるとの報告があります。
*注意!
術後に必ず自然妊娠できるとは限りません。
また、チョコレート嚢胞の切除手術をすると、卵子数が減少する可能性があり、体外受精を視野に入れる必要が出てきます。
保存手術であるため、小さな病変や隠れた病変が除去しきれず、再発する可能性があります。
自然妊娠以外の選択肢
年齢が35歳を超えている場合や、卵管の癒着がある場合は体外受精という選択肢があります。
以前は、チョコレート嚢胞があると体外受精の妊娠率が悪くなるとされていましたが、最近では妊娠率が悪くなることはないと考えられています。
妊娠を希望されない場合
根治手術(子宮付属器摘出術)
症状が非常に強く重症な病変がある場合や、出産を終えて妊娠を希望されない場合は、根治取術を選択することになります。
子宮や卵巣、卵管をすべて摘出することで月経がなくなり再発もなくなります。
*注意
卵巣などを摘出することにより、術後に更年期障害が出やすい場合があります。
チョコレート嚢胞は治療しなくても大丈夫?
チョコレート嚢胞を治療せず放置することにより、約0.7%の確率で癌化する可能性があるとされています。
癌化は年齢とともに上昇するので、40歳以降で嚢胞が4~6 cm以上ある場合は摘出を選択する必要があります。
月経痛が強くなってきたと感じたら、病変の進行を防ぐためにも、妊娠を希望する頃になって後悔しないためにも、一度婦人科を受診してください。
コメント